うずしおの郷と避難経路
- Kensuke Suga
- 4月21日
- 読了時間: 3分
◆うずしおの郷
陸路で醸造所へ辿り着くには福良方面か阿万方面で来ていただくしかないのですが、いずれにせよ大見山という小高い峠を越えるしかありません。大見山の上までくねくねと峠道を登って、福良湾に一気に下ります。大見山の山頂あたりにある若人の広場からは福良湾や鳴門海峡大橋が一望できます。
ちなみに陸路でなければ海からも来れなくはない(と思う!)ですし、空路であれば事前にいっていただければ醸造所の前に降りれます。一度ヘリでお越しになれらた方もいらっしゃいましたが、離着陸の風で醸造所が吹き飛ばされそうになりました。
話が吹き逸れましたが、醸造所の近くに古い山道らしき物を見つけ、シダや落ち葉に埋もれた丸太段を一段ずつ掻き分けて見つけ出し、少しずつ開拓しておりました。のちに下の写真の看板が落ちているのを大家さんが見つけて、この大見山では30年ほど前に「うずしおの郷」事業として遊歩道が整備され、山の散策とテーマにベンチや公衆トイレまで作られていたことを知りました。私がほじくりだしている道もこの事業の遺産の一部だったのです。

◆避難経路としてのトレイル
私がコツコツとこの道を切り拓いていた主な目的は津波の際の避難経路の確保です。現在この集落に下る道、すなわち集落から高所に上る道はすれ違うのも一苦労な一本の細い車道のみです。獣も多いし落石が行く手を阻むことも多々あります。私も脱輪して命を落としかけたことがありました。
集落には住民もいらっしゃいますし、雑貨屋さん、海釣り公園、キャンプ場などもありシーズン中の週末は割と賑わっています。徒歩での避難が原則徒歩ですが、パニックに陥り車で避難をされるお客さんも多いでしょう。おそらく一本道はすぐに詰まり、多くの人が逃げ遅れる恐れがあります。弊社もタップルームと直売所を再開するにあたり、お越しいただくお客様と従業員の命を繋げる可能性を少しでも上げられればとここ数か月でスピードを上げてこの遊歩道を開通させました。
英語では山道をトレイルといいますが、このトレイルという英単語には痕跡や足跡という意味があります。今ではこのうずしおの郷事業に携わっていた人はいませんが、過去にここに道を築いてくれた人がいることは間違いありません。何もなければいいですが、何かあった際にはこの足跡が誰かの未来に繋がることでしょう。このトレイルの行きつく先で醸造所を始めたのも何かのご縁です。もう放棄されないようにしっかりと保全・周知をして後世にも繋いでいきましょう。何より個人的にですが疲れた時にすぐに山に入れて、木々の切れ間から福良湾を望みながら深呼吸をするといいリフレッシュになります。もしお近くにお越しになる際はぜひ歩いてみてください。
ヤマニハイール!
◆動画
ばくえんHYOGO2025というビールイベント出店にあたり、3分ほどの紹介動画を撮るようにイベント運営委員から依頼がありました。その際に撮った動画でこの遊歩道を下ったので参考までに載せておきます。基本的に顔出しNGでやっているので道を撮ることにしました。顔伏せても声だけで気持ち悪いですね!ハァハァ言ってるし。コエモキモーイ!
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